映画レビュー

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黒澤明の『用心棒』のスペクタクルはハリウッドの教科書になった

1961年の黒澤明監督代表作の1つ。三船敏郎が浪人者を演じ、スペクタクルな演出で圧倒的な面白さを実現した作品。海外にも影響を与え、マカロニ・ウエスタン『荒野の用心棒』が作られたほか、スティーブン・スピルバーグの『レイダース/失われたアーク』の冒頭のシーンはこの『用心棒』へのオマージュともいわれている。 映画『用心棒』の概要 ぼろを着た浪人が家々が雨戸を閉じた何かありそうな宿場町に着く。その宿場の番 […]

黒澤明『椿三十郎』モダニズムと人情とユーモアと

三船敏郎が浪人者を演じた黒澤明監督の名作。アクションも見事ながら、ユーモアにも溢れ、物語も魅力的。ハリウッドにも影響を与えた作品の1つ。 映画『椿三十郎』の概要 藩内で賄賂が横行していることを発見した若い侍たちが神社の八代で相談をしていた。その相談は侍の一人井坂の叔父である城代家老に相談したところ、うやむやにされたため、大目付の菊井に話を持っていき、協力するといわれたというものだった。そのとき、社 […]

黒澤明『天国と地獄』は企業を舞台にしたサスペンス映画のスタンダードをつくった

黒澤明がエド・マクベインの原作を映画化した1963年のサスペンス映画。スリリングな展開で映画として面白いだけでなく、白黒映画の中で色を使った演出をしたことで映画史に残るものとなった。 映画『天国と地獄』の概要 ナショナル・シューズの権藤常務の家に、会社のお偉方が集まった。彼らは昔ながらの靴にこだわる社長に反旗を翻し、会社の実験を握ろうという話を権藤に持ちかけたが、彼はその話を突っぱねた。実は彼には […]

黒澤明『赤ひげ』で三船敏郎が示した人情と虚勢

健康飲料のTVコマーシャルでもおなじみの三船敏郎演じる「赤ひげ」が主人公の人情時代劇。この作品を最後に三船敏郎と黒澤明は決別したが、さすがのコンビネーションに加山雄三を加えて、最後を飾るにふさわしい作品とも言える。 映画『赤ひげ』の概要 顔を出すだけのつもりで小石川療養所にやってきた長崎帰りの若い医師・保本登は自分がそこで見習いとしてはたらくことになっているのを知る。しかし貧困にあえぐ庶民ばかりを […]

貧しさの中でも絆が人々を救う、黒澤明の異色作『どですかでん』

黒澤明が1970年に監督したヒューマンドラマ。黒澤映画の中ではマイナーな印象がある作品ですが、貧しさの中で生きる人々お絆を描き、現代にも通じるヒューマニズムを感じさせる作品です。 映画『どですかでん』の概要 ごみ溜めのような貧民窟でちっぽけな天ぷら屋をやる母親と二人暮しの六ちゃんは、毎日自分が電車の運転手になった気になって、「どですかでん、どですかでん」といいながら、家の前を往復する。近所の子供は […]

B級映画の傑作『ひみつの花園』は「ただ見て、笑う」映画

映画『ひみつの花園』の概要 子供のころからお金を数えることが大好きだった咲子は両親の勧めもあって銀行員になるが、他人のお金をいくら数えても満たされないことに気づく。そんな時、銀行に強盗が入り咲子は人質として連れ去られてしまう。しかし、その車が事故を起こし咲子は川に転落、スーツケースにつかまって九死に一生を得た。 話は、水の底に沈んでしまったスーツケースに5億円が入っていたことに咲子が気づくことから […]

5次元空間は実在するか?映画『デジャヴ』のタイムトラベルの意味

映画『デジャヴ』の概要 ニューオリンズでフェリーが爆破され、500人以上の犠牲者が出た。ATF(アルコールタバコ火器局)の捜査官ダグ・カーリンはその捜査に当たり、それが爆破だと見破り、爆破とは別の犠牲者の死体を見つける。その操作能力に目をつけたFBIが彼を特別捜査班に加えるが、その捜査班は4日と6時間前の記録をリアルタイムで再生できる装置を持っていた… ジェリー・ブラッカイマー製作のクライム・サス […]

典型的なパニック映画のようでポン・ジュノの創意が見られる『グエムル-漢江の怪物-』

ポン・ジュノ監督の長編3作目は、“怪物”を登場させるパニック映画。ハリウッドの典型的なパニック映画のような姿を取りながら、その怪物や登場人物の造形には創意が感じられる少し変わった作品です。 映画『グエムル-漢江の怪物-』の概要 漢江のほとりで売店を営むパク一家、長男のカンドゥはいつも寝てばかりだが、父親にせっつかれて商品を届けに行くと、川から恐ろしい巨大な怪物が現れる。皆が逃げ惑う中、カンドゥも妹 […]

ポン・ジュノが作り上げるヒューマンなサスペンス『殺人の追憶』

ポン・ジュノの長編2作目は80年代後半に実際に起った連続殺人事件を題材にしたサスペンス。ポン・ジュノはサスペンスフルな物語を展開しながらその下でヒューマンドラマを展開していく手法を確立していく。 映画『殺人の追憶』の概要 ソウルから程近い農村で殺人事件が起きる。その村の刑事パク・トゥマンは有力な情報がつかめない焦りから、村の少し頭の弱い青年を犯人に仕立て上げようとする。しかしソウルからやってきた捜 […]

ポン・ジュノのデビュー作は若者の閉塞感を捉える『ほえる犬は噛まない』

韓国を代表する映画監督ポン・ジュノ、『パラサイト 半地下の家族』『スノーピアサー』『母なる証明』などで知られる彼の長編デビュー作が『ほえる犬は噛まない』です。そして、是枝裕和監督の『空気人形』など日本映画にも出演する女優ペ・ドゥナの初主演作でもあります。コメディタッチの軽妙な作品ですが、現代の韓国映画を語る上で欠かせない作品とも言えるのです。 映画『ほえる犬は噛まない』の概要 なかなか教授になれな […]

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