AIがテーマなのに人間臭い『パーソン・オブ・インタレスト』の魅力は無双アクションと人間の複雑さ。

AIがテーマなのに人間臭い『パーソン・オブ・インタレスト』の魅力は無双アクションと人間の複雑さ。

2011年から2016年まで5シーズン、アメリカCBSで放送されたクライム・サスペンス・ドラマ『パーソン・オブ・インタレスト』。

アメリカ国内のあらゆる通信や監視カメラ映像を解析し、テロリストを特定し、テロを未然に防ぐシステム「マシン」。その装置はテロとは無関係な殺人も検知するが、「無用のリスト」として無視するように設計された。

「マシン」の設計者ハロルド・フィンチは、その無用のリストをマシンから受け取り、犯罪を未然に防ごうとし、もとCIAエージェントのジョン・カーターを雇う。

元恋人を亡くし、生きる意味を見失っていたジョンは、ハロルドに生きる意味を与えられ、その技術を生かして人助けを始める。

(c) Warner Bros. Entertainment Inc.

とにかくアクションが痛快

監視社会だ何だという要素はあるが、このドラマの見どころはなんと言ってもアクションだ。ジョンがあまりに無双過ぎる感じはしないでもないが、敵をバッタバッタと倒す(でも殺さない)のはとにかく痛快。そして、武器もどんどんエスカレートしていきアクションはド派手になっていく。

途中から増える仲間もジョンに匹敵する能力の持ち主なので、シーズンが進むにつれてエスカレートがエスカレートしてなんだかもうすごいとしか言いようのない状態になる。

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人間の闇の部分とどう付き合うか

ジョンとハロルドは互いにも明かせない秘密と闇を抱えている。しかし、2人は信頼し合い、友情と言える関係を築いていく。

この物語では、人間は誰しも闇を抱えていることを前提にしている。その上で、その闇にどう付き合うか、闇を利用しようとする他人とどう接するかが善人と悪人を分ける分水嶺になっているように見える。

ジョンやハロルドは「人を救うこと」に価値を見出し、同じように考える仲間が集ってくる。彼らが戦うのは、自分さえ良ければいい人たちで、彼らにも仲間がいるが、それは自分の利益を増やすために役立つ人々を意味する。

そういう人たちは「不信感」を常に抱え、他人が自分を出し抜こうとしているのではないかという恐怖に駆られているが、ジョンたちのチームは信頼によって成り立っているので、基本的にそのようなことはない。

ただ、この物語が面白いのは、すべての登場人物がその両極の間を行ったり来たりしている点にある。ジョンでさえもハロルドに不信感を抱くことがあり、最悪の敵役であってもとにに人間性をにじませることがある。

そして、そのように至る背景となった過去を少しずつ明らかにしていくことで、人物像に厚みをもたせていくので、物語に入り込みやすくなっているのだ。

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人間とAI

この物語は究極的には、人間が好き勝手やる社会かAIが管理する世界か、そのどちらを選ぶかという話だ。AIによる管理の意味については(ドラマの面白さにはあまり関係がないので)他に論を譲るとして、このドラマの面白さは結局のところ人間にあると言いたい。

舞台装置としてのAIの存在はもちろん重要だけれど、ドラマとして面白いのは、登場する人たちの面白さだ。魅力的な登場人物たちが繰り広げる人間臭い行動の数々、冷酷無比な元CIAエージェントでも、元悪徳警官でも、天才プログラマでも、そこには人間臭さがある。

結局、それがこのドラマの一番面白いところだと思う。おすすめ度は5点満点。


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