dTVは変態的。ソ連のサイレント映画をはじめマニアックな旧作を掘る!
VODをいろいろ試していくと、その違いは小さなものでそのサービス独自のものというのはあまり見えなくなってきます。
しかし!dTVは違いました。かなり変態的なコンテンツがいろいろあったのです。
ちなみに、月額500円(税別)で、初回31日間お試し無料ですので、気になる方はお試しください。
謎の「マンガ」動画
ただ、12万作品という膨大なコンテンツ量があり、表層からはそれはうかがい知れません。最初にアクセスすると目につくのはアニメや音楽。ミュージックビデオが豊富なのはほかのサービスと一線を画しますが、これでコンテンツするを底上げしているのではないかという疑念が浮かびます。
オリジナルコンテンツも「トゥルルさま~ず」のように数分の短いコンテンツが何百本もあるようなものが結構あり、12万本の看板と見ごたえとがマッチしないような印象を覚えます。ランキングに表示される作品もありきたりのものが多い印象ですし。
しかしここで諦めてはいけないと思って掘っていると、「マンガ」というジャンルがありました。『闇金ウシジマくん』や『へうげもの』『働きマン』などがあるのですが、これがマンガを読めるのでもなく、アニメを見れるのでもなく、マンガのセリフを声優が読み、それに合わせてページが進んでいくという他に類を見ないマンガコンテンツなのです。
ターゲットがよくわかりませんが、なんかすごいです。
こんな物があるんだから、ほかにも変わったコンテンツがあるんじゃないかと掘っていくとありました。
「キーワード」に気をつけろ
dTVはUIも少し変わっていて、多くのVODのように「オススメ」もあるんですが、ほかに「キーワード」というものが8つほどあります。例えば先日、掲載した『コンタクト』のキーワード は「1990年代」「洋画」 「アメリカ」「SF」 「大ヒット作」「ワーナー・ブラザース」 「学者」「宇宙」「独特な世界観」でそれほど変わったものではないのですが、「宇宙」を見てみたところ、『宇宙旅行』という作品の白黒のサムネが目を引きました。
この作品は1935年のソ連のSF映画、聞いたことありません。「ソ連」でも調べられるのでクリックしてみると、セルゲイ・M・エイゼンシュテインの1925年の作品『ストライキ』があったり、 イワン・イワノフ=ワノの1947年のアニメーション『イワンと仔馬』があったりとどう考えてもほかのVODにはないだろうという作品が出てきました。
さらに、年代でもピックアップできるので1920年代を調べてみるとロバート・フラハティの1922年のドキュメンタリー『極北の怪異』が。これをラインナップするってどういう発想なんだろう?となかなかの衝撃を受けました。
見たこと無い旧作を見まくろう
さらにいろいろ掘ってみると、「イチオシ!!傑作選」というキーワードで『ショーシャンクの空に』『愛のむきだし』などと並んで『無防備都市』や『暗黒街の弾痕』があるのはまだわかるとしてロバート・フラハティの『アラン』や1928年のソ連映画『アジアの嵐』があるのはどんなセンスなんだろうと思いました。
古い映画の話ばかりしてしまいましたが、新し目の映画ももちろんあります。『無防備都市』から「カンヌ国際映画祭」のキーワードに行くと、『ビューティフル・デイ』や『セールスマン』が。ただ、最新作は見放題ではなくレンタルのケースが多いようなので、新作映画を見たい方にはあまりおすすめできません。
旧作を掘りたい映画マニアは一度登録してみて探索してみると面白い発見があるのではないでしょうか。VODは見てつまらなかったらすぐやめられるのもいいところなので、見たことない作品を手当り次第見ていけば思いがけない名作に出会えるかもしれませんよ。
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