『悪名』シリーズは第一作から勝新太郎と田宮二郎の魅力が爆発
映画『悪名』の概要
松島の遊郭で暴れていた土地のやくざ吉岡組の貞を、その遊郭の琴糸のところに遊びに来ていた朝吉がぶちのめした。そのことで組の親分吉岡に認められた朝吉は吉岡組の客となるが、琴糸の足抜きをしようとして失敗してしまう…
当時のベストセラーを大映の職人監督田中徳三が映画化。カメラは宮川一夫、勝新と玉緒の共演など、見どころもいろいろ。
1961年,日本,94分
監督:田中徳三
原作:今東光
脚本:依田義賢
撮影:宮川一夫
音楽:伊福部昭
出演:勝新太郎、田宮二郎、水谷良重、中村玉緒、中田康子
勝新太郎と田宮二郎と宮川一夫
ぱっと見て、なんとなく映像に惹かれる。宮川一夫とは知らずに見ても、なんとなく、何かが違う気がする。何が違うのだろう。宮川一夫と勝新太郎はコンビというわけではないけれど同じ作品に関わることが多い。まあ、勝新はもともと大映で、宮川一夫も戦後は大映なのだから当たり前ではあるけれど、勝新が勝プロを立ち上げた後でも、宮川一夫はカメラを回した。確かに宮川一生の鮮やかな画面に勝新の濃い顔はよく映える。
この映画はちょっとひねったやくざもので、やはり勝新と田宮二郎が相当いい味を出していて、すごくいい。2人とも、どの映画でもなんとなく同じタイプの役を演じる役者だけれど、それが逆にこの2人のコンビをうまく生かせているような気がする。だから、シリーズが続いたんでしょうけれど…
この悪名シリーズは調べてみるとなかなか魅力的で、16本作られ、最後の2本は監督がマキノに増村ということになっていて、出演者も安田道代が出てきたり、田村高広が出てきたりするらしい。
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