人間は救いようがない、B級ホラーコメディ『ゾンビーバー』の笑えない結末。

人間は救いようがない、B級ホラーコメディ『ゾンビーバー』の笑えない結末。

アクシデントで湖に流れ出てしまった汚染物質で一帯のビーバーがゾンビになって人を襲うというB級ホラーコメディ『ゾンビーバー』。低予算で、ヒットもしなかった低俗映画です。

映画の中身も手作り感満載で、主な登場人物は頭の悪い大学生たちで、とにかく救いようのない映画です。それでも、こういうゾンビもの、パニックものは登場人物が成長して、団結して驚異と立ち向かうという展開になっていくもの、そんな期待をして映画を見ると完全に裏切られ、いらだちが増すばかりです。

「ひどい映画だなぁ」と思いながら映画は終盤に差し掛かり、最後に伏線回収のギャグ?があって終わるのですが、ここで「待てよ」と思いました。

この映画ってもしかしたらステレオタイプに対するカウンターなんじゃないかと。

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ゾンビ映画やパニック映画は人間の視点で描かれて、危機に立ち向かう人間たちの姿を描くものだけれど、この映画はそうではなくて、その逆を描いているのではないか。逆というのは、そもそもこの危機を生み出したのも人間だし、人間はその因果応報を受けているに過ぎない。そして、そんな危機にひんしても人間はしょうもないことで争い、自滅していく、本当にしょうもない生き物だと。

だからどうということもないですが、俯瞰してみるとそんなことなのかなーと思ったのです。普通にコメディとしてみても笑えませんが、そうやって俯瞰するとさらに笑えない、笑えなすぎて笑けてくる、そんなブラックすぎるコメディなのかもしれません。

別に、虐げられてきた自然からの復讐なんてことを言うつもりはありませんが、環境を破壊し続けてきた人間は因果応報で滅びてしまうのかもしれない。人間以外の生き物はもっと賢くて分を知り生き延びるのではないか。そんな高尚なことを考えてしまいました。

まあ、それでも面白くはないんですけどね。

2014年/アメリカ/74分
監督:ジョーダン・ルービン
脚本:ジョン・カプラン、アル・カプラン
撮影:エド・マルクス
音楽:アル・カプラン、ジョン・カプラン、ジョーダン・ルービン
出演:レイチェル・メルヴィン、コートニー・パーム、レクシー・アトキンス


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