セックスは滑稽だ。ロマンポルノリブート作『風に濡れた女』で塩田明彦監督が描いたセックスと人生のおかしみ。
海辺で男(高介)が本を読んでいると、自転車に乗った女(汐里)がやってきて、そのまま海に突っ込む。海から上がった女は濡れたTシャツを脱ぎ、裸の胸をさらしてTシャツを絞る。 そんな始まり方も「ロマンポルノ」なので驚くことはない。しかし、このあとの展開は「ポルノ映画」のイメージとは異なり、映画らしい余白を含んだ「純文学」的なものだ。 シュールなコメディとしてのセックス この映画にはストーリーがないという […]