2021年2月

セックスは滑稽だ。ロマンポルノリブート作『風に濡れた女』で塩田明彦監督が描いたセックスと人生のおかしみ。

海辺で男(高介)が本を読んでいると、自転車に乗った女(汐里)がやってきて、そのまま海に突っ込む。海から上がった女は濡れたTシャツを脱ぎ、裸の胸をさらしてTシャツを絞る。 そんな始まり方も「ロマンポルノ」なので驚くことはない。しかし、このあとの展開は「ポルノ映画」のイメージとは異なり、映画らしい余白を含んだ「純文学」的なものだ。 シュールなコメディとしてのセックス この映画にはストーリーがないという […]

人間は救いようがない、B級ホラーコメディ『ゾンビーバー』の笑えない結末。

アクシデントで湖に流れ出てしまった汚染物質で一帯のビーバーがゾンビになって人を襲うというB級ホラーコメディ『ゾンビーバー』。低予算で、ヒットもしなかった低俗映画です。 映画の中身も手作り感満載で、主な登場人物は頭の悪い大学生たちで、とにかく救いようのない映画です。それでも、こういうゾンビもの、パニックものは登場人物が成長して、団結して驚異と立ち向かうという展開になっていくもの、そんな期待をして映画 […]