2020年10月8日

【2020年版】Amazonプライムビデオの見放題で見られる日本映画の古典・名作10選

動画配信サービス(VOD)では最近の映画やドラマ、バラエティなどを見ることが多いかと思いますが、その魅力は新しい作品だけではありません。普通なら出会わないような古い映画に出会えるのも大きな魅力なのです。 とはいえ、いまどき古い映画に興味を持つ人などあまりいません。でも、私は声を大にして言いたい!古典映画には最新映画に勝るとも劣らない面白さがあると。 それに、 こんなことを書くと説教臭いといわれそう […]

岡本喜八監督『殺人狂時代』の奇妙な映像とアクション映画としての面白さと「狂気と戦争」

映画『殺人狂時代』の概要 精神病院を営む溝呂木は大日本人口調節審議会なるものを秘密裏に設立し、ナチスの残党とともに人口調整のために無駄な人間を殺すことを計画していた。犯罪心理学者の桔梗信治のところにも間淵という殺し屋が差し向けられるが、間淵は桔梗の亡き母のブロンズ像にぶつかってあえなく死んでしまう。しかし、その後、桔梗に次々と殺し屋が差し向けられる… 都筑道夫の「飢えた遺産」を岡本喜八が監督したア […]

『東京オリンピック』競技者の生々しさと束の間の平和の眩しさ

映画『東京オリンピック』の概要 1964年、東京で開かれた第18回オリンピック。日本がこれまでに経験したことのない規模で行われたスポーツイベントを巨匠・市川崑が記録し、映画化した作品。聖歌がギリシャで点火されるところから、開会式、各競技、閉会式まで、時に全体を俯瞰し、時にひとりの人間を追い、余すところなく伝えた3時間近い力作。 公開されたのは、オリンピックが開催された翌年だったが、人々の記憶に新し […]

今村昌平が『にっぽん昆虫記』で描く「方言」「神」「売春」そして「女」

映画『にっぽん昆虫記』の概要 母親の松木えんが婿をもらって2ヶ月目に生まれた娘とめ、少し抜けた夫を尻目に母親は乱れた生活を続けるが、とめはそこで育って行った。とめは戦争中女工となったが、地主の家に嫁にやられ娘信子を生んで帰って来る。戦後は工場に戻るが、組合活動に参加したことで会社をクビになり単身上京、メイドとして働くが… 今村昌平が実際に売春斡旋業をしていた女性にその半生を聞き、それをもとにシナリ […]

『キューポラのある街』は高度成長期の日本が若者に託した希望そのもの

映画『キューポラのある街』の概要 キューポラと呼ばれる煙突が立ち並ぶ鋳物の町・川口、そこに住むジュンの父は熟練工だが、工場が買収されたことでクビになり、徐々に自暴自棄に陥っていく。ジュンはそんな父を見ながら、自分の力で高校へ行こうとパチンコ屋でアルバイトを始めるが、弟のタカユキがチンピラに屑鉄盗みに引っ張られていったりと苦難ばかりが降りかかる… 吉永小百合を主演に、高度経済成長に差し掛かる日本の姿 […]

溝口健二が国際的評価を得た『雨月物語』のアンチクライマックスと引き込まれるドラマ

黒澤、小津に次ぐ巨匠とも賞される溝口健二の代表作の一つがこの『雨月物語』。江戸時代の文学を翻案し、時代劇ながら現代的なドラマに仕上げています。ヴェネチア映画祭で銀獅子賞を得たこともあり、海外の批評家にも引き合いが出されることの多い作品です。 映画『雨月物語』の概要 戦国時代、近江の国の農村で焼き物を作っていた源十郎は戦に乗じて町で焼き物を売り小金を手にする。女房の宮木の喜ぶ顔を見て調子に乗った源十 […]

小津安二郎『東京物語』が見られるVODと次に見るべき映画

日本映画の巨匠といえばまっさきに名前が上がる二人が黒澤明と小津安二郎。その小津安二郎の代表作といえば『東京物語』。私も大好きな映画の一つです。 黒澤明は時代劇やサスペンスを得意として派手な印象なのに対して、小津安二郎はホームドラマが得意で地味な印象。でも、その時代をリアルに描いているのは小津安二郎なのかもしれません。 小津の代表作『東京物語』も戦後日本をリアルに描いた作品。今見てもそこには学びがあ […]